コ ラ ム

謹 賀 新 年 平成24年(2012年)

 

年頭所感


「多難な年を迎えて」

田原 道夫

日本道経会 会長

田原 道夫


日本道経会会員のみなさま、明けましておめでとうございます。

昨年は、まさに多事多難な年に終始しました。膨大な国債発行を抑えることがかなわないままで始まった年でしたが、3月に東日本大震災と福島原発の大事故が起こり、「企業の6重苦」と相まって、国難と言わざるを得ないような経済危機が日本を覆いつつあります。

外国はというと、これまた目を覆いたくなるような惨状にあります。アメリカ経済はもとより、EU諸国も過大債務に苦しみ、ユーロ解体すら現実のものになりかねません。また、リーマンショック以降、世界経済を引っ張ってきた中国も、インフレと失業、そして不良債務の急増というトリレンマ(三重苦)に苦しんでいます。

道徳経済一体思想の立場からすると、世界中が経済的に苦しむ根本的原因は明白です。すなわち、道徳を無視した経済活動が、この苦境をもたらしたのです。そもそも、これほどの規模で世界中が道徳心を失ったことがあるでしょうか?

関東大震災(大正12年)の前年、廣池千九郎博士は、「日本の有史以来これだけ思想の悪くなったことはない。こういうことになってくると、今にどんなことが起こるか分からない」と弟子の中田中氏に述べたそうです。同じことが今日の世界で言えるようです。世界史上で、世界中の人々の心が、同時にこれほど悪くなったことがあるでしょうか。私たちは、まさに「どんなことが起こるか分からない年」を迎えているようです。

世界各国の内、一国でもデフォルト(債務不履行)などの経済破綻が起これば、それがただちに世界に波及することでしょう。世界規模の大不況が、目前に迫っていると言えます。いまこそ、日本道経会会員企業は、道徳経済一体の経営を学び、それを実現することが求められています。お互いにとって、今年は真剣勝負の年になりそうです。覚悟して、本年を乗り越えましょう。