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【企業の繁栄は
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日本道経会 会長
田原 道夫 |
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周知のとおり、本年3月に日本道経会前会長の十川照延氏が急逝された。十川前会長は、本年1月号の会報で「企業の繁栄は人づくり経営にあり」と題するメッセージを残されたが、その後、このメッセージを本会の活動スローガンに採用することを決した。そこで本号では、前会長を偲びながら、このスローガンについて述べてみたい。
モラロジーの創建者廣池千九郎は、企業の究極の目標を人心開発救済に置いた。人心開発救済を普通の言葉に置き換えると、人づくりといってよいと思う。
それでは、どんな人をつくればよいのであろうか。抽象的には、最高品性の持ち主をつくるということであろう。しかし、企業経営の立場では、それでは漠然としており、もっと明確にしたくなる。
そういう観点からすると、松下幸之助と稲盛和夫両氏の見解は参考になる。松下幸之助氏は、「人を育てるというのは、結局、経営のわかる人、どんな小さな仕事でも経営的な感覚を持って出来る人を育てることである」と述べている。また、稲盛和夫氏は、人づくりの目標を「経営者意識を持つリーダー、つまり、共同経営者を育成する」としている。二つとも、ほとんど同じ意味である。
こう考えると、人づくりの前になすべきことが明確になってくる。すなわち、経営理念を確立し、それをしっかりと経営者自身が体得する、ということである。経営理念がなければ、常に筋の通った方針を示すことは出来ない。ひとたび何かが起これば、方針はすぐにでも大きく変わりかねない。ましてや、人づくりの対象となる「共同経営者」と、価値観を共有することも出来ない。したがって、経営理念の確立とその体得が必須になる。
そして、その経営理念には、経営者個人の思想や好みを超えた普遍性と高貴さが要求される。具体的には、廣池千九郎の提唱する道徳経済一体思想に合致するものとなる。「共同経営者」とともに、ひたすらその実現を求めていくのだから当然である。われわれは、再度自社の経営理念を見直し、見つめ、人づくりに邁進しようではないか。