岐阜支部 新年経済講演会
- 事務局長
令和6年1月26日(金)ホテルパークにて新年岐阜経済講演会を開催致しました。講師に麗澤大学 経済学部教授の大野正英講師をお迎えしました。大野講師は、岐阜市のご出身で金華山の麓でお生まれになり幼少期を過ごされました。地元での講演と言うことで、お友達や同級生、又御縁のある方々もお集まりになり、87名のご参加でした。講演のテーマは新年の経済講演会に相応しい、「AIは社会をどう変えるか―その倫理的課題―」についてであります。
(講演要旨)
・AIは神か悪魔か?
AIによって人間の生活は豊かになる⇒神
AIが人間に害を及ぼす、人間を支配する存在になる。⇒悪魔
AIが人間から仕事を奪うのか?AIを人間が使いこなすのか?
AIに人間が使われるのか?
理想的にはAIと人間が共存する社会で、AIはあくまでコーパイロット(副操縦士)の役割で、人間が意思決定をする補助する役割である。
・AI(人工知能)とは
学習、推論、判断といった人間の知能を持つ機能を備えたコンピューターシステムで、自律的に学習し人間による具体的な指示がなくても、勝手に業務をこなしていく。教師なし学習
・チャットGPTの登場
2022年にチャットGPTが急速に進歩してきたその問題点について具体的にチャットGPTを使いながら説明していただいた。チャットGPTは人間の問いかけに対して自然な文章を作成してくれるが、①質問の意味を理解して回答しているわけででない。②答えた回答の意味も理解していない。文章はきれいで、整って美しいが、内容が間違っていることもある。又フェイク動画も精度が上がって悪質なものが出回る。SNSで拡散されるようになった。
・AIは人間を超えられるか。
特化型AIから汎用AIへ
2029年には汎用AIの知能が人間を超える
人間にとって初めて知的能力と言う点で、自分達よりも優れた存在が登場するようになる。それをどう活用していくか、創造に関する領域は機械が苦手とし、人間の優位性が続くと考えていたが生成AIでかなり人間に近いレベルの創作の成果が得られるようになった。AIがAI技術を自己進化させる時代が加速的に進歩する可能性がある。
・人間がAIを使うのか、使われるのか
AIに対する依存度が高まり「AIが賢くなる分だけ、人間がバカになる」しかし、AIは意味を理解していない、論理的な価値判断ができない、回答の根拠を説明してくれない、思考のプロセスが分らない。
いろんな分野でAIが導入され、AIによって人間の仕事が代替されるようになる。仕事の二極化が進行することになる。
AIについて漠然としたことしか知りませんでしたが、今回大野講師の講演をお聞きしてAIによって得られる回答をすべて鵜呑みにするのでなく、自分自身で考える力を養い、それをきちんと評価できるようになることが大切であることを学ばせていただきました。