一般社団法人日本道経会

「人づくり」こそが、企業の未来を照らす唯一の道 ~新卒採用と道経一体経営の真髄~

工藤 さやか
  • 東京支部会員
  • 株式会社ザメディアジョンHR 執行役員兼東京本部 支社長

はじめに:今、中小企業にこそ求められる「人づくり」の覚悟

日本道経財会の皆様、こんにちは。株式会社ザメディアジョンHRの工藤さやかと申します。私たちは創業以来30年以上にわたり、全国5,000社以上の中小企業の新卒採用と人財育成を支援してまいりました。私たちのミッションは、人を中心に置いた経営によって、たとえ規模は小さくともキラリと光り輝く「ダイヤモンドカンパニー®」を日本中に増やすことです。

私個人といたしましては、新卒採用のお客様である梅田工業株式会社の梅田社長との素晴らしいご縁をいただいたことがきっかけで、本会に入会いたしました。「道経一体」の理念を実践される経営者の皆様と切磋琢磨できるこの環境に、心より感謝申し上げます。

日本道経会が掲げる「道経一体」の理念、そして「人づくりを通じた三方よしの経営」というあり方は、まさに私たちが追求する「人財の力で会社を変える」という信念と深く共鳴するものです。本稿では、創始者・廣池千九郎先生が示された「人づくり」の真髄と、私自身の20年にわたる歩みを交え、人づくりが企業の永続性にいかに不可欠であるかを綴らせていただきます。

廣池千九郎先生に学ぶ「二つの人づくり」と経営者の品性

道経一体経営における「人づくり」を考える際、私たちは廣池先生が描かれた二つの深い意味を再認識する必要があります。第一は「経営者自身の人づくり」であり、第二は「他者(社員)の人づくり」です。

廣池先生は社会の平和的解決のために「道徳」の必要性を説かれました。そのためには、まず経営者自身が「自我没却」「慈悲心」「義務先行」「伝統」「人心の開発・救済」という五つの方法を通じて自らの品性を高めることが求められます。磨かれた経営者の品性が、社員という「他者」へと伝播していく。この連鎖こそが、道経一体における人づくりの本質です。

現代でいう「コンピテンシー(行動特性)」の開発においても、単なるスキルの習得を超えた「徳性の向上」こそが最大のテーマとなります。経営者の高潔な品性が社員に伝わり、一人ひとりが「社会に通用する人間力」を身につけていく。これこそが、企業を盤石なものにするのです。

鞄持ちから始まった私の20年:新卒採用は「原石」との出会い

私自身、この「人づくり」によって人生を変えていただいた一人です。北海道の大学生だった私は、創業者・山近義幸の「鞄持ちインターンシップ」に参加しました。経営者の鞄を持ち、その一挙手一投足を間近で見学する中で目にしたのは、理念に生き、情熱を持って人に接する経営者の姿でした。

その縁がきっかけとなり、2006年に入社してから今年で20年目を迎えます。当時は何色にも染まっていない「未来の原石」だった私が、長きにわたってこの仕事を続けてこられたのは、新卒というピュアな時期に、経営者のビジョンと品性に直接触れる機会があったからです。

新卒採用は、経営者の想いを最も純粋に吸収できる存在を迎え入れるプロセスです。もちろん、教育には手間もコストもかかります。しかし、それは単なる「費用」ではなく、10年後、20年後の会社を支えるための「投資」であり、経営目標そのものです。新卒採用を軸に据えることで組織文化が劇的に強固になり、飛躍を遂げた企業様を、私たちは数多く見てまいりました。

感謝の心を磨く「知覧研修」:人間性の土台をつくる

「人づくり」において私たちが最も大切にしているのが「徳」の育成、すなわち人間性を高めることです。廣池先生が説かれた「伝統」や「慈悲心」を次世代に伝えるためには、理屈ではなく感性に訴える教育が必要です。

私たちのグループでは、戦時中に特攻隊の基地があった鹿児島県知覧町を訪れる「知覧研修」を長年続けています。創業者・山近は知覧の「観光大使」も務めており、この研修は過去20年間で332回開催され、延べ1,360社、7,332名もの方々にご参加いただきました。

特攻隊員たちが最期に過ごした「富屋旅館」に宿泊し、彼らの遺書を通じて「生きる意味」を問い直す。そこには、今生きていること、そして育ててくれた親や支えてくれる仲間への感謝が、心の底から湧き上がる瞬間があります。「ありがとう」の反対語は「当たり前」です。感謝の心がないところに成長はありません。技術やスキルの前に、まず「人間としての土台(品性)」を整える。これこそが、道経一体経営における人づくりの真髄ではないでしょうか。

共に汗を流す「伴走型サポート」で未来を創る

少子高齢化が進むこれからの日本において、人財確保はますます困難になります。しかし、だからこそ「選ばれる会社」になる努力が必要です。

私たちは、単なるノウハウ提供のコンサルティングにとどまりません。お客様の現場に深く入り込み、共に汗を流し、課題を乗り越えていく「伴走型サポート」を徹底しています。新卒採用や人財育成に唯一の「正解」はありません。だからこそ、私たちは理論を振りかざすのではなく、経営者様の想いを形にするために泥臭く、共に歩み続けるパートナーでありたいと考えています。

新卒採用活動は、自社の強みを再定義し、労働環境を整える大きなきっかけになります。若くフレッシュな力が毎年入ることで、社内は自然と活性化し、既存社員にも「教えることによる成長」の連鎖が生まれます。

もし今、皆様の会社で新しい挑戦が鈍っていると感じられるなら、ぜひ一度、新卒採用の導入を検討してみてください。それは単なる人員補充ではなく、廣池先生が説かれた「経営者の品性を次世代に伝えていく」という、会社の未来を創り変える「人づくり」の宣言に他なりません。

結びに:共に「ダイヤモンドカンパニー」を目指して

「先人が築いてくれた土台の上に、私たちが次の柱を立て、若い世代が屋根をかけていく」。この持続可能な継承の姿こそ、道経一体経営が目指す理想です。

私たちザメディアジョンHRは、新卒採用が成功するまで泥臭く伴走する「人財戦略パートナー」として、これからも全国の経営者の皆様と汗をかき続けてまいります。日本道経財会の皆様から学ばせていただきながら、微力ではございますが、一歩ずつ共に歩みを進めてまいりたいと存じます。