【千葉支部】『新年経済講演会』を開催
- 副代表幹事
千葉支部の今年度の活動はコロナ禍の制約で、親睦旅行は中止となりましたが、定例幹事会はオンラインで、それ以外は規模を縮小し、事業計画に沿って活動を重ねてきました。
令和3年1月22日(金)に開催されたzoomによるオンライン新年会(講演並びに交流会)についてご報告いたします。
新年会は通年の行事として計画されていましたが、コロナの感染が急を告げ、麗澤大学・川上和久教授の御好意により高感度の映像と音声でzoom新年会が、講演と交流会のプログラムで実行されました。
川上先生の講話は、あらかじめ配布されたパワー・ポイントの資料を手もとに、画面でも先生の温顔と資料が映し出されて、迫真のリモート・セミナーとなりました。お話の中で3点の社会心理学的論点が提示されました。
第1は、コロナを抑える段階で効果を上げたかに見えた中国流の監視型社会(スマホや顔認証を駆使した監視カメラの手法による孤立した国家主義)と民主主義の深化(理性と隣人を愛せる自律ある市民のエンパワーメントと、その繋がりのグローバルな連帯)のどちらが今後のガバナンスの中心に据えられてゆくのか、について、イスラエルの歴史学者ユヴァル・ノア・ハラル氏の問題提起から解説いただきました。
第2は、世界の覇権をめぐる米中の対立がコロナを契機として更に激化し、サミュエル・P・ハンティントン教授の予言の通り、「文明の衝突」が先鋭化するのではないかとの見通しが示されました。
第3は、コロナ後の企業経営と経済社会の行方について、国内の識者の見通しを紹介されて、短期目線のP/L重視から脱し、緊急事態にあっても<顧客を育てる>という中長期的ビジネスモデルが大切である、社会の大きな変動が予測されるが、大都市集中から「分散型」「顧客重視」「災禍に強い地域づくり」が進むべき方向として示されました。
講演後の質疑応答は新年の交流会と混然一体となって大変盛り上がりました。締め括りのお話として、コロナ感染の第三波が襲う今現在の国民意識が総じてネガティブ・マインドにある所から、困難な状況下であっても「東京オリパラ」はどんな形であれ実現させることが我が国の将来を考える上で国益に叶う、こうした世論の盛り上げと、若い世代への夢や希望はその社会自らが掻き立てるものである…と結ばれたくだりは心に残りました。