東京支部 新春経済講演会
- 株式会社みやこ食品
令和5年1月18日(水)15時30分より、京王プラザホテル43階のムーンライトにて、東京支部新春経済講演会が「世界と日本 経済大予測」と題し、作家・経済評論家の渡邉哲也氏をお招きして開催されました。ロシアのウクライナ侵攻から尚緊張感の高まる米中露欧州の新冷戦。中国・アメリカが国内に抱える問題の実情や、EU内の対立、日本の政策転換、各国の政治リスク等について、渡邉講師よりとても分かり易く解説して頂きました。そこから垣間見えた日本経済の展望と課題。それはどれも伝統の尊重に集約されるものだと私は思いました。世界から称賛される日本の物づくり。『道経一体経営原論』でも「魂を込めることにより、質が高まる」と教えられています。質を尊び、量を次とし、労を積み、大成す。そしてサービスとは「込めた魂」と「人間性」です。
現在の日本はどうでしょう?日本製品が海外で売れなくなっている昨今、その要因の一つに挙げられるのは、作業者の質の低下とも云われています。「企業の繁栄は人づくり経営にあり」。道経会員の皆様なら骨の髄まで染み付いた教えであるはずです。人づくりとは、後継者問題といった単なる後進育成の是非を指すことではありません。徳を尊び、感謝報恩を常とし、三方善の考え方と行動で、社会に貢献できる人を育てること、それこそが人づくりであり、そうした人づくり経営が、企業の未来を拓いていくのです。
冷戦の他にも環境の問題や労働者問題、コロナショックや経済格差など、世界各国が国の内外にリスクを抱えています。人も地球も悲鳴をあげているのです。そうした問題を先送りにして誤魔化してきた日本企業が抱える問題も、解決の見通しが立たない情勢です。世界的な経済停滞による燃料価格の高騰、物価の上昇で原材料費は跳ね上がり、電気料金の値上げも続いています。半導体不足や生産拠点を数多く置く中国の動向にも悩まされています。トレンドや時流にただ乗っかるだけでは破滅するのです。小手先の対処ではなく、今こそ「永続」「個性化と差異化」「価値ある独自性」を理念とする三方善経営の実行に、向き合うべき時代なのではないかと、そう強く思わされた意義ある経済講演会でした。